2019年9月1日号 白内障

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  • 曇ったレンズ人間の目の構造は、よくカメラにたとえられます。カメラのレンズの役割をしているのが水晶体、フィルムの役割をしているのが網膜です。
    このレンズ(水晶体)が濁ってしまうことで、フィルム(網膜)に鮮明な像が描けなくなる現象、それが白内障です。

    水晶体がなぜ濁るのかはいろいろな原因がありますが、最も多いのは加齢によるもので、はっきりとした自覚症状がなくても40歳代から徐々に進行し、50歳代では約60%、60歳代では約80%、80歳以上ではほぼ100%の人が白内障になっているといわれています。

  • 白内障の種類
    濁った水晶体の瞳|加齢(老人性)白内障
    加齢によって水晶体を構成するたんぱく質が変性をおこし濁るもの。一般に白内障といえばこの加齢白内障のことをいう。

    |先天白内障
    生まれつき、あるいは生後まもなく発症するもの。遺伝や感染などが原因と考えられている。

    |併発白内障
    他の目の疾患に関係して発症してくるもの。(ぶどう膜炎、糖尿病など)

    |薬物性白内障
    ステロイド剤の長期投与による影響で発症するものがもっとも多く、その他、向精神薬や縮瞳薬などでも起こることがある。

    |外傷性白内障
    外から何か強い力が加わって、水晶体が混濁するもの。

    |アトピー性白内障
    顔にアトピー性皮膚炎の出る患者さんにみられる。アトピー性皮膚炎の増加とともに増えつつある。

    |放射線白内障
    放射線などの被曝により、水晶体にダメージを受けたことが原因でおこる。

  • 白内障の症状
    主に加齢による白内障については、年をとるにつれて徐々に進行するため、初期のころは自分では気づかないケースが少なくありません。
    白内障の症状また、たいていは左右同時に起こりますが、進行具合が左右に差がある場合などは、片方が多少見えづらくなっても、もう片方が補ってしまうため進行に気づきにくいのです。

    それでも、少しずつ病気が進行してくると、次のような症状が出てきます。

    かすんで見える
    視界にかすみがかかったように、全体にぼやけて見えるようになる

    まぶしく感じる
    水晶体の濁りの部分で光が乱反射するため、明るいところにいると非常にまぶしく感じる

    ものが重なって見える
    ひとつのものが2重、3重に重なって見えることがある

  • 白内障の治療法
    薬による治療
    症状が軽く、日常生活や仕事に支障がない場合には経過観察をおこなうか、薬による治療を開始するのが一般的です。
    点眼薬による治療と、内服薬が処方されることもあります。
    薬による治療は、あくまでも症状の進行を遅らせるためのもので、一度濁ってしまった水晶体を元通りの透明な組織に戻すことはできません。

    手術による治療
    症状が進行して、日常生活に支障が出てきた場合には手術を考えます。
    手術といっても、現在は技術も進み、安全で手術時間も短くなり、日帰りで受けることも可能になりました。

    *手術法*
    眼内レンズとは現在行われている手術の主流は、濁った水晶体の核の部分を砕いて吸引し、取り除いた水晶体の代わりとして、人工の眼内レンズを挿入する方法です。

    :術後の視力矯正
    手術後は裸眼でもよく見えるようになりますが、水晶体を取り除いた目にはピント調節機能がありません。
    裸眼でよく見えない距離では、それに応じた度数でメガネを作らなくてはなりません。
    手術後数週間から数ヶ月、視力が安定するのを待ってから、新たにメガネの処方箋を作ってもらいます。

    :後発白内障とは
    白内障の手術後、数ヶ月から数年後に再びものがかすんで見えるようになる人もいます。
    これは「後発白内障」といって、眼球内に残した嚢の裏側にある水晶体の組織が濁ってきてしまうためです。

    この場合には、後嚢と呼ばれる濁った組織に特殊なレーザーを照射して、光が通る通路をつくる治療がおこなわれます。

  • 白内障の予防
    白内障の多くは、しわや白髪と同様、加齢とともに現れる老化現象のひとつです。
    “老化を防ぐ”生活習慣を心がけることが白内障予防の一番の方法です。

    ①白内障の一因である紫外線を避ける
    ②活性酸素の発生を抑える生活習慣

    運動不足やストレスをなくす
    ③禁煙
    水晶体にはビタミンCが高濃度含まれており、喫煙はビタミンCを著しく消耗する
    ④抗酸化作用のある食品を積極的に摂る
    ・ビタミンC、E(野菜、フルーツ)
    ・βカロチン(ブロッコリー、人参)
    ・ポリフェノール(赤ワイン、緑茶、ごま、ブルーベリー)
    ・ルテイン(ケール) など