■いびきは身体の危険信号
|いびきのメカニズム
いびきは睡眠中に起こるもので、なかなか自分では気付きにくいものです。一人暮らしならいいですが、家族や会社の旅行などでは周囲に迷惑をかけてしまいます。いびきは鼻や喉などの気道(息の通る道)が狭くなり、振動してい起こります。
原因としては下記のようなものが考えられます。
・花粉症やアデノイドなどの鼻疾患や咽頭部の障害
・肥満によって首回りや舌が太い
・顎が小さい骨格や、年齢による筋力の低下
・アルコールによる咽頭部の筋肉の緩み
・疲労、過労
|こんないびきをかいていませんか?
普段からひどいいびきをかいて寝ていて、10秒以上呼吸が停止、つまり無呼吸状態が一晩で5回以上繰り返される人は、睡眠時無呼吸症の疑いがあります。
睡眠時無呼吸症候群の人は息が途中で止まるため、脳に十分な酸素がいかず、酸欠の状態になっているため不眠の状態になります。
酸欠の状態で眠っていると、高血圧や心筋梗塞・不整脈などの心疾患、脳梗塞などをおこす危険性があります。
快眠できていないため、日中は眠気や疲労感、頭痛、胸やけなどの症状が現れます。日中の眠気で集中力が低下することで居眠りや交通事故などの原因にもなりますので、よく寝たのに日中眠い方は注意しましょう。
また、普段いびきをかいていないのにある日突然いびきをかいたり、いびきをかいている最中に急にいびきが治まったりする人は一度受診することをお勧めします。
■睡眠時無呼吸の治療
|マウスピース(スリープスプリント)
SAS患者の9割といわれている閉塞性の睡眠時無呼吸の治療に有効なのが、下顎を前にして固定するマウスピースによる治療法です。
睡眠時無呼吸症候群が引き起こされる原因のひとつに、舌の付け根がのどの奥に落ち込んでしまい上気道を塞いでしまうことがあります。
スリープスプリントを装着して眠ると、下顎が前方に固定されることで舌の落ち込みを軽減し気道が確保されます。
体に負担がかからず、装着するだけでかなりのいびき改善効果が認められます。
通院も数回と短く、持ち運びもできますので、旅行先や出張などにも最適です。
■小児の睡眠時無呼吸
通常、子どもはいびきをかきません。もしもお子さまがよくいびきをかいて寝ているようでしたら、何らかの原因で気道が狭くなっていることが考えられます。
小児のいびき、無呼吸の原因として多いのは口蓋扁桃や咽頭扁桃(アデノイド)の肥大によるものです。
他にも肥満、アレルギー性鼻炎、口呼吸、歯並びや噛み合わせの悪さも原因として考えられます。
睡眠中に無呼吸や低呼吸の状態が何度も起こっていると質の良い睡眠が得られず、集中力が低下したり、落ち着きがなくなったり、多動や異常行動、学習能力の低下など、心身の発達にも影響を及ぼしてしまいます。
お子さまの睡眠中に気になる症状がみられるようでしたら、一度ご相談ください。